聖心女子大学図書館

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図書館長メッセージ「知の宝庫」にようこそ

  

「図書館長」と聞くと、どんなイメージが浮かぶでしょうか。もしかしたらこんなイメージ――四方の壁が古書で埋まった暗い部屋で、ローブを着てぶ厚い本を読んでいる怖そうな老人。イタリアの記号学者ウンベルト・エーコのミステリ小説『薔薇の名前』に出て来る老修道僧のような。あるいは、高い塔の一室で万巻の書物に囲まれて暮らす物静かな人。高田大介のファンタジー小説『図書館の魔女』に出て来る少女のような。どちらも魔法使いのイメージですが、もちろん現実の図書館長はまったく違います。何しろ本学の図書館長は私なのですから。

しかし、なぜこういうイメージが持たれるのでしょう。それは、私たちが古い書物に対して、また古い書物を大量に蔵する図書館に対して、ある種の畏敬の念を抱いているからではないかと思います。古代世界で最も有名な図書館と言えば、紀元前3世紀のプトレマイオス朝エジプトにあったアレクサンドリア図書館ですが、数十万巻を所蔵したと言います。日本最古の公開図書館は、石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)が設けた「芸亭(うんてい)」とされ、奈良時代700年代のことです。

これらはすでに失われましたが、図書館の歴史はこのように古く、以降、全世界の図書館で膨大な数の本が守られてきました。本は言葉を伝え、言葉は知識と智慧を蓄積します。図書館に収められた何十世代にもわたる膨大な量の知識と智慧、つまり「知」に圧倒されるので、私たちは畏敬の念を抱くのではないでしょうか。

本学の図書館にも47万冊を超える蔵書があります。その中には新刊本も多く、最新の情報に触れられます。さらに、図書館のホームページからオンラインデータベースを利用して、さまざまな情報を簡単に入手することができます。図書館ホームページの「電子ソースを探す・読む」から入って、いろいろ検索して遊んでみてください。例えば、ジャパンナレッジというデータベースにある『日本国語大辞典第二版』は50万以上の項目が載る世界最大の国語辞典ですが、試しに「そら〔空・虚〕」を引くと、大小30もの意味が載っていて、こんなにたくさん意味があるのかと驚かされるでしょう。世界は知らないことばかりです。

私たちは危うい時代を生きています。ただの噂話がまるで重要なニュースのように見えたり、デタラメがくり返されているうちに真実のふりをしはじめたり、虚像であることに気づかず息苦しくなったり。この時代に求められるのは、一人一人が見極める力と、それを可能にする「知」です。図書館は歴史上一貫して「知の宝庫」でした。図書館を自由に頻繁に使ってください。ようこそ「知の宝庫」へ。

図書館長

小柳 智一(KOYANAGI, Tomokazu)

館長略歴

聖心女子大学現代教養学部日本語日本文学科 教授
博士(文学)

研究分野 :
日本語の歴史
著書 :
『文法変化の研究』(単著)(くろしお出版,2018)
『認知言語学を拓く』(共著)(くろしお出版,2019)
『日本語と近接言語における文法化』(共著)(ひつじ書房,2023)

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